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ispace、ランダー(月着陸船)の熱構造モデル環境試験をクリア 2022年 の打ち上げに向け、フライトモデルの組み立てを開始

2021年7月14日

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)は、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のミッション1で使用するランダー(月着陸船)の熱構造モデル(Structural Thermal Model)の環境試験を完了し、2022年[i]に打ち上げ、実際に月に着陸する予定のランダーのフライトモデルの組み立てを開始しました。これは、ランダーの開発における重要な技術的マイルストーンであり、打ち上げに向けて最後の段階に入りました。

2020年7月下旬に最終デザインを発表してから、エンジニアは試験機を使用して、日本で主要な環境試験を行ってまいりました。熱構造モデルの組立は、2021年4月から成田国際空港近くの日本航空株式会社の施設で行われ、その後筑波の施設で環境試験(振動試験、音響試験、熱真空試験)を行い、大きな問題やスケジュール遅延も無く試験を完了しました。

今後HAKUTO-Rでは、ドイツのランポルツハウゼンにあるアリアングループの施設でランダーのフライトモデルの組立を本格的に行います。エンジニアは2021年6月初旬から作業を開始しており、同年7月末までにはフライトモデルの最初の主要な構造物の組み立てを行う予定です。

ペイロードの組立と統合は2021年末までに完了する予定で、フライトモデルの最終試験は2022年初めに行われる予定です。最終試験後、ランダーのフライトモデルは打ち上げ地であるアメリカに輸送され、2022年後半[ii]に打ち上げられる予定です。

● HAKUTO-Rコーポレートパートナーとの協業進捗

● 日本特殊陶業株式会社は、月面で固体電池の実証実験を行う計画をしており、既に宇宙向けの環境試験をクリアしたフライトモデル電池の試作を完了し、打ち上げに向けて順調に準備を進めています。

(詳細:https://www.ngkntk.co.jp/news/detail/002426.html

● シチズン時計株式会社は、独自に開発した素材「スーパーチタニウム™」を活かした部品をランダーフライトモデルの着陸脚に提供することが決定致しました。また、メンズ腕時計ブランド「CITIZEN ATTESA(シチズンアテッサ)」と民間月面探査プログラムHAKUTO-Rのコラボレーションモデルを発売しました。

(詳細:https://ispace-inc.com/jpn/news/?p=1970

● 2020-2021年における主な進捗

COVID-19の影響で、サプライチェーンの遅れや実験施設の人員制限、リモートワーク、渡航制限などの課題が発生しましたが、着実に業務を遂行し、スケジュール通りに開発を進めることができました。環境試験の成功に加えて、ispaceはシリーズBにおいて35億円、金融機関各行より19.5億円の借入による資金調達をそれぞれ実施しています。また、NASAから月面で採取した月のレゴリスの販売に関する商取引プログラムの契約を獲得し、更に二か国の政府系宇宙機関の月面探査ローバーなど、月面へのペイロード輸送に関する複数の契約を締結しました。

● HAKUTO-Rミッション1ペイロードについて

ランダーの上部にはペイロードの搭載が可能で、ミッション1では下記のペイロードを輸送予定です。

● HAKUTO-Rのコーポレートパートナーである日本特殊陶業株式会社の固体電池

(詳細:https://www.ngkntk.co.jp/news/detail/002426.html

● UAEドバイの政府宇宙機関であるMBRSCの月面探査ローバーRashid

(詳細:https://ispace-inc.com/jpn/news/?p=1874

● JAXAの変形型月面ロボット

(詳細:https://ispace-inc.com/jpn/news/?p=1903

● カナダ宇宙庁によるLEAPの一つに採択されたMCSS社のAIのフライトコンピューター

(詳細:https://ispace-inc.com/jpn/news/?p=1907

● カナダ宇宙庁によるLEAPの一つに採択されたMCSS社のCanadensys社のカメラ[iii]

(詳細:https://ispace-inc.com/jpn/news/?p=1905

● HAKUTOのクラウドファンディング支援者のお名前を刻印したパネル

(詳細:https://ispace-inc.com/jpn/news/?p=1636

ispaceのMission 2ランダーに搭載可能なペイロードの容量はまだ残っており、現在ペイロードサービスに関して様々な交渉が行われています。

● 株式会社ispace Founder & CEO 袴田武史のコメント

「ispaceの強みは、世界中のベストなリソースを最大限活用していることです。ispaceには世界25か国から経験豊かなメンバーが集結し、彼らの高い能力により、この困難な状況下でもスケジュールを維持して開発を進めています。また、アリアングループなど外部も活用し、実行力をさらに高めています。そしてHAKUTO-Rのパートナーシッププログラムを通して各パートナー企業様とともに月ミッションへの参加機会の拡大に努めています。ランダーの最終組立フェーズに入り、私たちは民間での月面着陸という目標に着実に近づいています。今後も新たな課題があったとしても、ひとつずつ乗り越えて、パイオニアとして明るい未来を世界に示していきます。」

■ 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/)について

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、150名以上のスタッフが在籍。2010年に設立。Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営。

月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行っています。ispaceによる最初のミッションは2022年[iv]と2023年[v]に予定されています。ミッション1では、MBRSC、JAXAおよびCSAのLEAPの一つに採択された3社にペイロードとデータのサービスを提供する予定です。ミッション1で使用するランダーはドイツのアリアングループの施設で最終組み立てを行っています。SpaceXのFalcon9でアメリカから打ち上げられる予定です。ispaceは、NASAのCLPS(Commercial Lunar Payload Services)プログラムに選出されたドレイパー研究所のチームの一員でもあります。ispaceとispace Europe S.A.はNASAから月面で採取した月のレゴリスの販売に関する商取引プログラムの契約を獲得しました。ispace Europe S.A.はESAのPROSPECT(月面での水の抽出を目的としたプログラム)の科学チームの一員に選ばれています。

■ HAKUTO-R (https://ispace-inc.com/hakuto-r/)について

HAKUTO-Rは、ispaceが行う民間月面探査プログラムです。独自のランダーとローバーを開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う予定です。SpaceXのFalcon 9を使用し、それぞれ2022年[vi]に月面着陸ミッション、そして2023年[vii]に月面探査ミッションの打ち上げを行う予定です。このプログラムは、月の情報と地球―月輸送サービス構築に向けた技術検証を行います。

HAKUTO-Rのコーポレートパートナーには、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、住友商事株式会社、高砂熱学工業株式会社、株式会社三井住友銀行、SMBC日興証券株式会社が参加しています。また、HAKUTO-Rメディアパートナーには、株式会社TBSホールディングス、株式会社朝日新聞社、株式会社小学館が参加しています。

[i] 2021年7月時点の想定

[ii] 2021年7月時点の想定。[ペイロードの組立と統合は2021年末までに完了する予定で、フライトモデルの最終試験は2022年初めに行われる予定です。

[iii] ispaceとCanadensysは、ispaceがペイロード輸送サービスを提供することを意図した覚書を締結し、契約締結の最終プロセスに入っています。

[iv] 2021年7月時点の想定

[v] 2021年7月時点の想定

[vi] 2021年7月時点の想定

[vii] 2021年7月時点の想定

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