News

ispace、ミッション1の打ち上げ準備を完了

2022年11月28日

2022年11月30日にケープカナベラル宇宙軍基地からFalcon9ロケットで打ち上げ予定

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)は、
民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1の打ち上げに向け、ランダーの全ての開発工程を完了し、Falcon9ロケットへの搭載が完了したことをお知らせいたします。


Falcon9ロケットのフェアリングに搭載作業中のランダー

ミッション1で使用するランダー(月着陸船)のフライトモデルは、10月下旬に米国フロリダ州ケープカナベラルに輸送され、射場付近の施設内にてロケットのフェアリング(ロケット最先端部のペイロードを搭載する部分)への搭載作業を行っておりました。このたび打ち上げロケットのフェアリングへの搭載が完了し、これによりミッション1マイルストーンの第一段階である「Success1」が完了となります。ispaceは打ち上げ日に向け、運用準備を引き続き日本橋にある管制室にて行っております。
 

■ 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田 武史のコメント

ミッション1マイルストーンの第一段階を計画通り完了したことを嬉しく思います。2016年に構想を開始してから約6年という短期間で、民間資本でここまで実現したことは誇るべき偉業です。短期間で確実な開発を民間で行うために、世界中から実績のある技術・部材を採用し信頼性と低コストのバランスをとった設計・開発方針を貫き、そしてその開発を支える顧客獲得・資金調達・組織構築等のすべての努力の結晶がこのSuccess1の打上機搭載完了に結実しました。ミッション1の実現に向けて尽力した社員及び関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。次の段階は打ち上げ日の初期クリティカル運用となります。引き続き気を引き締め必要な準備を進めてまいります。

■ 10段階のミッション1マイルストーンについて
ミッション1では、打ち上げから着陸までの間に10段階のマイルストーンを設定しており、それぞれに設けたサクセスクライテリアを達成することを目指します。ミッションの途中で何らかの課題が発生した場合にも、その時点までに得たデータやノウハウなどの成果を正確に把握した上で、2025年までに後続するミッション2、アルテミス計画に貢献するミッション3へとフィードバックし、技術と事業モデルの信頼度及び成熟度を商業化に足る水準にまで高めることを計画しています。各マイルストーン達成の進捗状況等は適時に公開を予定しております。

■ ミッション1マイルストーン詳細

■ HAKUTO-Rミッション1ペイロード

ランダーの上部にはペイロードの搭載が可能で、ミッション1では7個のペイロードを輸送予定です。
HAKUTO-Rのコーポレートパートナーである日本特殊陶業株式会社の固体電池
UAEドバイの政府宇宙機関であるMBRSCの月面探査ローバーRashid
JAXAの変形型月面ロボット
カナダ宇宙庁によるLEAPの一つに採択されたMCSS社のAIのフライトコンピューター
カナダ宇宙庁によるLEAPの一つに採択されたCanadensys社のカメラ
HAKUTOのクラウドファンディング支援者のお名前を刻印したパネル
■ HAKUTOの応援歌であるサカナクションの「SORATO」の楽曲音源を収録したミュージックディスク

■ 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在200名以上のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営していました。2022年7月時点で総計約268億円超の資金を調達。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行っています。  
SpaceXのFalcon 9を使用し、それぞれ2022年(i)に月面着陸ミッション、2024年(ii)に月面探査ミッションの打ち上げを行う予定です。ミッション1の目的は、ランダーの設計及び技術の検証と、信頼性の高い月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証及び強化です。ミッション1の結果とデータは、継続して行われるミッション2へフィードバックされます。更にミッション3は、より成熟した精度での月面着陸と月への輸送サービスによってNASAが行う「アルテミス計画」に貢献する計画です。ミッション1では、10段階のマイルストーンを設定しそれぞれに設けられたサクセスクライテリアを達成していくことを目指します。各段階において技術検証を行い、継続して行うミッションへ知見を蓄積していきます。
ispace technologies U.S., inc. は、2025年(iii)に月の裏側に着陸予定のNASAのCLPS(Commercial Lunar Payload Services)プログラムに選出されたドレイパー研究所のチームの一員です。ispaceとispace EUROPE S.A. (ispace Europe) は2020年12月に、NASAから月面で採取した月のレゴリスの販売に関する商取引プログラムの契約を獲得しました。ispace EuropeはESAのPROSPECT(月面での水の抽出を目的としたプログラム)の科学チームの一員に選ばれています。

■ HAKUTO-R (https://ispace-inc.com/hakuto-r/)について
HAKUTO-Rは、ispaceが行う民間月面探査プログラムです。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う予定です。SpaceXのFalcon 9を使用し、それぞれ2022年(iv)に月面着陸ミッション、そして2024年(v)に月面探査ミッションの打ち上げを行う予定です。
HAKUTO-Rのコーポレートパートナーには、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、住友商事株式会社、高砂熱学工業株式会社、株式会社三井住友銀行、SMBC日興証券株式会社、Sky株式会社が参加しています。また、HAKUTO-Rメディアパートナーには、株式会社TBSホールディングス、株式会社朝日新聞社、株式会社小学館が参加しています。

(i) 2022年11月時点の想定
(ii) 2022年11月時点の想定
(iii) 2022年11月時点の想定
(iv) 2022年11月時点の想定
(v) 2022年11月時点の想定

PDF
一覧に戻る