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ispace が中核的連携機関として参画する研究開発課題が「宇宙戦略基金」事業に採択

2025年4月30日

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)が実施する、宇宙戦略基金 第一期の公募テーマの一つである、「月面の水資源探査技術(センシング技術)の開発・実証」にて、国立大学法人東京科学大学が代表機関とし、ispaceを含む連携機関からなるプロジェクトチームにより研究開発課題「テラヘルツ波リモートセンシング衛星による月地下浅部の資源探索」が採択されたことを発表しましたので、お知らせいたします。4年間*¹程度の支援期間を有する本計画において、ispaceは連携機関として最速2027年を目途に、中核的役割となる、衛星開発およびその打ち上げ輸送と運用を担う予定です。

*¹ ※当初委託事業期間は、契約締結決定日から、最初のステージゲート評価が終了する日の属する年度の末日まで

このたび、「月面の水資源探査技術(センシング技術)の開発・実証」に対して、代表機関を務める東京科学大学と共に東京大学、大阪公立大学、北海道大学、その他機関、および株式会社 ispaceを中心とした研究チームは下記技術開発を推進します。

 

  • 月面水資源探査の実施を見据え、月面の輝度温度分布を複数周波数において観測し、月面の水・氷含有量の推定分布に資するデータの取得が可能なテラヘルツ波センサシステム(10kg程度以下)を搭載した衛星システム(100kg程度以下)の開発を実施する。
  • (1)で開発した衛星システムを月周回軌道に投入して観測を行い、LUPEX等、他探査機の観測データ等と組み合わせて分析する手法を開発し、月面における水氷の有望箇所を推定するとともに、水氷以外の資源の有望箇所の将来的な推定に繋げる。

 

● 株式会社ispace 代表取締役CEO Founder 袴田武史のコメント

「本件はispaceにとって、初の宇宙戦略基金への本格的な取り組みであり、日本政府が推進する画期的な月の資源探査プログラムに貢献できることを大変うれしく思います。月周回への輸送のみならず、これまで月着陸船開発で培った宇宙機開発および宇宙機運用の実績をもとに、ispaceが連携機関として中核的な役割と責任を持つこととなった、探査衛星の開発管理および探査衛星の運用については、当社のエンジニアリング力を高く評価いただけた証左だと思います。人類の生活圏を宇宙に広げるべく、月面開発の事業化を通じてシスルナ(地球と月の間)空間での経済圏構築をビジョンに掲げる当社にとって、月の水資源探査に貢献することは、ビジョン実現に向けても大きな意義があると考えます。このような協業と開発促進の機会をいただける宇宙戦略基金プログラムに、今後も積極的に関わりを増やし、シスルナ経済圏の確立を目指していく所存です。」

● 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2は2025年1月15日に打上げを完了し、最短2025年6月6日に、月面着陸へ再挑戦の予定です。ミッション3は2026年[i]、ミッション4(旧ミッション6)は2027年に[ii]打ち上げを行う予定。

ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされている。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。

 

[i]   2025年4月時点の想定

[ii]  2025年4月時点の想定

 

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