2025年2月10日
TENACIOUSローバー開発および月面輸送のためにispaceとルクセンブルク宇宙機関が 共に取り組んだ 日々を全4話に分けて順次公開予定
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)とルクセンブルク宇宙機関(以下LSA)は本日、欧州で初めて開発されたTENACIOUSローバーにまつわるドキュメンタリー動画の公開を発表しましたのでお知らせいたします。TENACIOUSローバーは、欧州法人であるispace EUROPE S.A. (以下ispace EUROPE)が、拠点を置くルクセンブルクで初めて独自に設計、製造、および試験が行われた小型月面探査車で、RESILIENCEランダーに搭載され月に向けて打ち上げられました。
全4話に分けて公開される本ドキュメンタリー動画には、TENACIOUSローバー開発の舞台裏や関係者へのインタビューで構成されています。第1話では、LSAのCEOであるMarc Serres氏とispace EUROPE CEOのJulien Lamamyが、月面探査における官民連携の重要性について話します。今後は、ispace以外にも、ルクセンブルク政府関係者やLSA、欧州宇宙資源イノベーションセンター(以下ESRIC)関係者も登場予定です。
先日公開された第1話に続き、第2話以降もMission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON”(以下ミッション2)の期間中、毎月公開予定で、公式YoutubeやSNS、LSAウェブサイトからも視聴可能です。
ここまでispaceは、ミッション2のSuccess 4まで順調に達成し、現在RESILIENCEランダーはSuccess 5に設定されている「月フライバイ」に向けて準備を進めています。月フライバイが成功すると、日本の民間企業として初の快挙となります。
- ispace EUROPE CEO Julien-Alexandre Lamamyのコメント
「ispaceはLSAと長きに亘り非常に良好な関係を構築してきました。今回、ドキュメンタリ-動画の公開を通じて、世界中の皆さまにTENACIOUSローバー開発の舞台裏や、関係者の想いを届けられることを楽しみにしています。ミッション2の月フライバイ初挑戦や今後の着陸から目が離せません。」
- ルクセンブルク宇宙機関 副CEO Mathias Link氏のコメント
「ルクセンブルクにとって、大きなマイルストーン達成となったこのプロジェクトは、なぜ、どのようにして月面探査車の開発が実現したのかを示しています。ドキュメンタリー動画の公開は、ルクセンブルクの能力を示すことに役立つと共に、月を目指すTENACIOUSローバーが人々にとってより身近な存在となるきっかけになるでしょう。」
ルクセンブルクに拠点を置くispace EUROPEは、2017年3月にルクセンブルク政府の宇宙資源開発の商業化を支援するSpaceResources.luイニシアチブとの協力協定に基づき設立され、以来、ルクセンブルク大公国を欧州における宇宙資源探査と利用のハブとすべく、LuxIMPULSEプログラムの一環として、ルクセンブルク宇宙機関との共同資金でマイクロローバーの開発を行っています。
ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めてまいりました。2025 年 1 月15日に日本法人が主導するミッション2の打ち上げを完了し、続いて2026年には米国法人が主導するミッション3を順次実行していく計画です。また、2027年には、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション6を予定しています。世界中の政府、企業、教育機関からの高まる需要に応えるため、ispaceはミッション3およびそれ以降のミッションのペイロードサービス契約とデータサービスを提供してまいります。
- 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/jpn/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。ミッション2の打ち上げは2025年1月15日に完了し、続くミッション3は2026年[i]、ミッション6は2027年に[ii]打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
[i] 2024年11月時点の想定
[ii] 2024年11月時点の想定