2025年1月30日
米国での競争力強化へ向けた新体制を構築
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は本日、2025年4月1日付で米国法人の新経営体制を発足させることを発表いたしましたのでお知らせいたします。
2025年4月1日付でispace-U.S.の新Chairpersonに就任するロナルド・ギャレンと新CEOに就任するエリザベス・クリスト
米国の宇宙産業が急速に成長する中、同市場における競争力およびプレゼンスを向上させ、米国宇宙政策およびアルテミス計画への更なる協力を実現することは当社の重要な経営課題です。この度、当社は、米国法人であるispace technologies U.S., inc.(以下ispace-U.S.)の取締役会構成を変革し、元米国航空宇宙局(NASA)宇宙飛行士・米国空軍大佐であり現米国法人CEOのロナルド・ギャレン(Ronald J. Garan Jr.)が率いる新体制とすることで、将来的にispace-U.S. を米国政府のPrime Contractor(主契約者)として月ミッションを遂行可能な体制へ進化させることを目指します。
新体制の下では、現米国法人CEOのロナルド・ギャレンが、新たに米国法人取締役会のChairpersonに就任します。またこれに伴い、米国法人の新たなCEOに、現Program Management担当のExecutive Vice Presidentであるエリザベス・クリスト(Elizabeth Kryst)が昇格し、新たに就任いたします。
ロナルド・ギャレンは、過去1年半にわたり、米国市場における当社の基盤構築と急成長を実現させ、宇宙業界におけるispace-U.S.の地位の確立に貢献をしてまいりました。米国法人のChairpersonという重要な役割を新たに担うことで、引き続きロナルド・ギャレンは同法人の成長と価値向上を目指すと同時に、宇宙業界における広範な経験と知見を活かし、ステークホルダーとの連携強化など戦略的な視点からispace-U.S.の成長を支えてまいります。
新CEOに就任するエリザベス・クリストは、これまでEVPとして、当社のミッション3のプログラムにおけるAPEX1.0ランダーの開発およびチームマネジメントを統括してきました。そのリーダーシップと豊富な経験、卓越した実績は、航空宇宙業界における新進気鋭の人材として評価されており、エリザベス・クリストは、これまでロナルド・ギャレンが掲げてきた米国法人のビジョンを継承しつつ、次世代のリーダーとして新たな視点から革新を推進させることが期待されています。
● ispace-U.S. 新Chairperson ロナルド・ギャレンのコメント
「新たに取締役会のChairpersonとして、ステークホルダーとのより一層の連携強化と、米国宇宙産業への貢献に向けて努めてまいります。新たにCEOに就任するエリザベスは、商業的ビジネスとしての航空宇宙産業に造詣が深い、優れたリーダーです。私自身もエリザベスに全幅の信頼を寄せており、彼女とともに、ispace-U.S.の成長を実現します。」
● ispace-U.S. 新CEO エリザベス・クリストのコメント
「新CEOという新たな挑戦に大変胸が高鳴る思いです。先日ispaceミッション2の打ち上げにフロリダで立ち合った際、ispaceの3拠点のメンバーが集結し、素晴らしいグローバル連携を実現させている現場を見て感動を覚えました。米国法人におけるミッション3でもこの取り組みを継続できることがとても楽しみです。この度新CEOへの任命を受け、今後のミッションの成功をさらに確実なものとするため、日本、ルクセンブルクの海外拠点との連携強化を図り、ispace-U.S.のプレゼンス向上と営業活動強化に努めてまいります。」
当社は、この新たな体制の下、アメリカ市場におけるさらなる成長を実現し、パートナーやサプライヤーなど多くのステークホルダー、ペイロードをお預けいただくお客様、そして従業員にとってより良い価値を提供してまいります。
ispace-U.S.も今後、地域社会や業界全体にポジティブな影響を与えるため、ispaceの強みでもある東京、ルクセンブルクとの連携を一層強化し、米国の宇宙戦略、特にアルテミス計画へ貢献してまいります。
引き続きご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
● 新CEO エリザベス・クリストのプロフィール
イリノイ州立大学シカゴ校にて科学の学士号を取得後、アリゾナ州立大学にて工学修士号(MEng)を取得。ispace-U.S.入社前は、無人高高度成層圏飛行システムによる多数のリモートセンシングアプリケーションを開発する航空宇宙スタートアップ企業World Viewの事業運営部門のVice Presidentを務めた。航空宇宙分野において、これまで新製品の導入からプログラム管理、さらに先端材料科学や環境科学分野の戦略的な計画立案まで、さまざまなリーダーシップを担った経験実績があり、ispace-U.S.参画後はプログラム、サプライチェーン、事業開発、コミュニケーション、政府関連業務、および業務改革イニシアティブを担当、2025年4月1日よりCEO就任。
● 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/jpn/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2の打ち上げは2025年1月15日に完了し、ミッション3は2026年[i]、ミッション6は2027年に[ii]打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
[i] 2025年1月時点の想定
[ii] 2025年1月時点の想定