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ispace EUROPE、ルクセンブルク宇宙資源法に基づく 欧州初の「月面探査ミッション認可」をルクセンブルク経済省より取得

2025年1月8日

ミッション2におけるTENACIOUSローバーの運用が承認される

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、当社欧州法人であるispace-EUROPE S.A.(以下ispace EUROPE)が、2017年に施行されたルクセンブルク宇宙資源法に基づく月面探査ミッション認可を、ルクセンブルク宇宙機関(以下LSA)より取得し、Mission 2 “SMBC x HAKUTO-R VENTURE MOON(以下ミッション2)において、TENACIOUSローバーを運用することを承認されたことを本日発表いたしましたので、お知らせします。最速2025年1月中旬に打ち上げを予定しているRESILIENCEランダーに搭載されているTENACIOUSローバーの運用承認は、宇宙資源の商業利用を可能とする欧州初の事例であり、ispaceにとっても歴史的なマイルストーン達成となります。

ルクセンブルク経済省により初めて発行された本認可により、ispace EUROPEは宇宙資源の商業利用における世界的なリーダーとしての地位を確立し、宇宙経済のイノベーション促進というルクセンブルクの重要な役割を明確にしました。月面探査と資源採取を目的として開発されたTENACIOUSローバーは、ispaceとispace EUROPEが2020年にNASAと契約した、月資源商取引プログラムのため、ミッション2で月面レゴリスの採取とその所有権の譲渡を行います。

ルクセンブルク宇宙資源法は、同国の宇宙経済戦略の要となる宇宙資源の商業的探査と採取を支援するために必要な法的枠組みを提供するものです。このたびの認可は、ispace EUROPEのミッション2における目標達成に向けた大きな一歩となるだけではなく、欧州における今後の商業宇宙資源活動の先例となります。

 

  • ispace EUROPE CEOJulien-Alexandre Lamamyコメント

「ルクセンブルク政府の当社支援に心から感謝しています。この認可を取得出来たことは、商業的な宇宙資源活動を可能とする初めての事例であり、欧州全体の宇宙探査に関する歴史的な瞬間と言えると思います。当社が行う月ミッションには、技術的な能力だけではなく、宇宙での商業活動を指導し、支援し、承認するための強固な法的枠組みが必要です。同国の先進的な政策と宇宙分野への取り組みは、ispaceの月面探査開発を推進する上で極めて重要と考えます。TENACIOUSローバーの運用により、私たちはシスルナ経済圏の構築に新たに一歩踏み出します。」

 

  • ルクセンブルク大公国 デレス経済・中小企業・エネルギー・観光大臣 コメント

「この認可は、シスルナ経済圏構築を実現させるための潜在能力を示す歴史的な一歩であるだけではなく、ルクセンブルクが、宇宙経済の商業化のために必要な法的および規制の枠組みを定義する役割を示すものとなりました。」

 

  • ispace EUROPE 法務顧問、Héloïse Vertadier コメント

「今回の画期的なマイルストーンの達成は、社内における法務および技術チームの緊密な連携と、ルクセンブルク宇宙機関およびルクセンブルク政府間からの適切な指導を経て実現した、まさに協業の成果と言えます。この認可を得ることは、宇宙産業と規制当局間の効果的且つ良好な関係が国際宇宙法の未来を形作る上で、いかに重要であるのかを示しています。そして、宇宙開発と資源利用における私たちの夢の実現に一歩近づきました。

ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めてまいりました。最速 2025 年 1 月中旬に日本法人が主導するミッション2、続いて2026年には米国法人が主導するミッション3を順次実行していく計画です。また、2027年には、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション6を予定しています。世界中の政府、企業、教育機関からの高まる需要に応えるため、ispaceはミッション3およびそれ以降のミッションのペイロードサービス契約とデータサービスを提供してまいります。

 

  • ispace-EUROPE S.A.について

ルクセンブルクに拠点を置く欧州法人であるispace EUROPEは、月面探査車の開発を重点的に取り組んでいます。欧州初となる独自設計および製造、組み立てを行い、マイクロローバー(小型月面探査車)の開発をしています。世界トップクラスの人材が集まり、ロボット工学技術やルクセンブルクのエコシステムとの強固なつながりを持つispace Europeは、欧州における月面産業の創出を加速させ、拡大する法人や個人顧客のニーズに応えます。

同社には、月面を模した月面ヤードや関連ミッションのシミュレーションを行うためのミッションコントロールルーム(管制室)を構え、月面探査車のナビゲーション技術の開発をサポートしています。

 

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2の打ち上げは最速2025年1月中旬[i]に、ミッション3は2026年[ii]、ミッション6は2027年に[iii]打ち上げを行う予定。

ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。 

[i]   2025年1月時点の想定

[ii]   2025年1月時点の想定

[iii]  2025年1月時点の想定

 

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