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「HAKUTO-R」ミッション2 TENACIOUS(テネシアス)ローバー JAL機にて日本への輸送完了 記者発表会を開催

2024年9月10日

株式会社ispace(本社:東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下「ispace」)(証券コード9348)は、今冬に打ち上げ予定の民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2において、月面探査に挑戦する小型月面探査車TENACIOUS(テネシアス)ローバーが日本航空株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長・グループCEO:鳥取三津子、以下「JAL」)の航空機にて日本への輸送を完了したことを受け、9月4日(水)にJALと共催で記者発表会を実施いたしました。

(左から、ispace斉木敦史、袴田武史、若田光一様、JAL鈴木隆夫様、JALEC秡川宏樹様)

羽田空港新整備場地区にある「JALスカイミュージアム」施設内にて、滑走路を間近に望みながら行われた本発表会では、ispace代表取締役CEO&Founder袴田武史、同社CRO斉木敦史、JALイノベーション本部長 鈴木隆夫様、株式会社JALエンジニアリング取締役兼事業推進部長 秡川宏樹様が登壇。さらにゲストとして米Axiom Space(アクシオム・スペース)宇宙飛行士兼アジア太平洋地域 CTOの若田光一様をお招きし、「民間企業の宇宙開発への挑戦」をテーマにパネルディスカッションを行いました。

ispaceの欧州法人であるispace EUROPE S.A.が拠点を置くルクセンブルクで開発されたTENACIOUSローバーは、フライトモデルの組み立てが完了し、先月ルクセンブルクより日本へ輸送されました。現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターにて環境試験の最終段階を迎えている月着陸船RESILIENCE(レジリエンス)ランダーに搭載されるローバーは、月面着陸後に展開機構を用いて月面へ着地し、自走して月面探査を開始します。

本発表会では、HAKUTO-RコーポレートパートナーであるJAL協力のもと、ローバーがパリのシャルル・ド・ゴール空港からJALの航空機で8月4日に羽田空港に到着するまでの様子を記録映像でご説明するとともに、およそ9年間にわたるJALのご支援・HAKUTO-Rプログラムにおけるランダーの推進系燃料配管の溶接作業などの技術協業による関わりについてお伝えしました。

パネルディスカッションに登場した若田光一様は、かつてJALで航空機の整備技術者として培った経験が「宇宙飛行士となってからも大いに役立った」と振り返り、「有人宇宙活動を進めていくために、ispaceの活動は非常に重要。ぜひ応援させていただきたい」とコメント。JALイノベーション本部で宇宙事業開発を推進する鈴木隆夫様からも「ispaceのミッション2の成功をJALグループ社員一同、心より応援しております」とのメッセージをいただきました。

ispace代表の袴田は、「ispaceが中長期的に目指すシスルナ経済圏の構築を推進するため、ミッション2の確実な成功に向け取り組んでいく」との意気込みとともに、JALとのパートナーシップで得た経験について、「我々のみならず、今後の民間の宇宙産業にとっても大きなプラスになるよう、引き続きインパクトのあるシナジーを共に模索していくことが重要と考えております」と話し、これからの宇宙産業全体における今後の展開に期待を寄せました。


当日の様子

■ 日本航空について

日本航空は、1951年に設立されました。oneworldアライアンスのメンバーであり、2024年3月時点で227機の航空機を所有し、提携パートナーとともに世界66カ国・384空港へのネットワークを提供しています。(*)

Skytrax社の”5-Star Airline”、北米を拠点とする航空非営利団体 APEXの”World Class”にも認定され、世界で最も定時性の優れたエアラインの一つです。日本航空は「世界一愛されるエアライン」を目指し、お客さまに最高レベルの安全とサービス品質を提供します。

詳細はWebサイトをご覧ください。 http://www.jal.com/ja

(*)グループ航空会社を含むネットワークを記載しています。

 

● 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/jpn/)について

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続く2024年冬頃[i]にミッション2の打ち上げを、2026年[ii]にミッション3、2027年に[iii]ミッション6の打ち上げを行う予定。

ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。

● HAKUTO-R (https://ispace-inc.com/jpn/m1)について

HAKUTO-Rは、ispaceが行うミッション1およびミッション2を総称する、民間月面探査プログラム。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う。SpaceXのFalcon 9を使用し、2022年にミッション1(月面着陸ミッション)のランダーの打ち上げを完了。2024年冬頃ivにミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げを行う予定。

HAKUTO-Rのコーポレートパートナーには、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、高砂熱学工業株式会社、株式会社三井住友銀行、SMBC日興証券株式会社、Sky株式会社、Epiroc ABが参加している。

 

[i]   2024年9月時点の想定

[ii]   2024年9月時点の想定

[iii]  2024年9月時点の想定

iv  2024年9月時点の想定

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