2024年4月3日
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)は、米国市場における事業強化に向け、著名な惑星科学者であるアラン・スターン博士(Dr. Alan Stern)が当社US法人であるispace technologies U.S., inc. (以下ispace U.S.)のアドバイザーに就任したことをお知らせいたします。
ispace U.S. 新アドバイザー、アラン・スターン博士 ⒸSouthwest Research Institute
スターン氏は、惑星科学者であると同時に、民間宇宙飛行士、米国宇宙計画の幹部、航空宇宙コンサルタント、作家、講師として米国を拠点に幅広く活躍しています。2020年にアメリカ航空宇宙局(NASA)は、商業サブオービタル飛行ミッションクルーが行う2度目の宇宙飛行において、初の研究者としてスターン氏を選定。2023年11月には、ヴァージン・ギャラクティックのGalactic 05ミッションで初めて宇宙飛行を経験しました。
ispace U.S.とスターン氏は、シスルナ経済圏の構築と米国市場におけるispace U.S.の事業強化を目指して様々な分野で協業を行います。
- ispace U.S. CEO ロナルド・ギャランのコメント
「アラン・スターン博士をチームに迎えることができ、とてもうれしく思っています。博士の政府および民間の宇宙産業で培った経験とビジョンは、ispace-U.S.が月探査のトップランナーとしての地位を確立させ、顧客の期待を上回るサービスの提供にむけて大きな力になると信じています。」
- ispace U.S. 新コンサルタント アラン・スターンのコメント
「ispace U.S.が開発するAPEX1.0ランダーの規模感、そしてispace U.S.の持つグローバルな特性に感銘を受けました。この組織とリーダーシップを理解すればするほど、ispace U.S.がランダー等の宇宙機や新たなビジネスの開発に秀でていると確信します。ispace U.S.は事業領域を拡大し、宇宙開発における様々な実績を作り、より多くの人に知られていくことでしょう。共に力を合わせ、月面やシスルナ経済圏の発展に貢献できることを嬉しく思います。」
- アラン・スターン氏のプロフィール
NASAのNew Horizonsミッションの主任研究員を務める等、冥王星やカイパーベルト、オールト雲天体、彗星、系外惑星、太陽系の証拠の探索等の宇宙科学に関する研究に30年以上従事。宇宙機のランデブー、極中間圏雲、銀河天体物理学、月の大気を含む衛星の希薄大気の研究にも取り組んでいる。また、NASAの月探査機「ルナ・ルコネサンス・オービター」に搭載されたLAMP装置の主任研究員を約10年間務めた。2023年11月にはヴァージン・ギャラクティックのGalactic 05ミッションでサブオービタル宇宙を飛行し、2つの有人科学実験を成功させ、NASAの資金による将来のサブオービタル研究の準備にも参加した。早ければ2024年にもサブオービタル飛行を行う予定。アメリカ航空宇宙学会(American Institute of Aeronautics and Astronautics, AIAA)、アメリカ科学振興協会(American Association for the Advancement of Science, AAAS)、王立天文学会(The Royal Astronomical Society, RAS)、アメリカ地球物理学連合(American Geophysical Union, AGU)、エクスプロラーズ・クラブ(the Explorer’s Club)のフェローであり、アメリカ天文学会(American Astronomical Society, AAS)、国際宇宙航行アカデミー(International Academy of Astronautics, IAA)の会員として活動している。
- ispace technologies, U.S., inc. (https://ispace-us.com/)について
コロラド州デンバー郊外に位置する、株式会社ispace のUS法人。地球から月への輸送サービスを政府及び民間顧客に提供する米国の月開発企業。月の資源活用に着目し、月、及び地球と月の間において人類の生活圏、経済圏を構築することを目指している。ispace U.S.は米国で設計・製造・打ち上げが行われるAPEX1.0ランダー開発の中心地であると同時に、北米における事業の拠点としての役割を担う。Team Draperの一員として、アメリカ航空宇宙局(NASA)の商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services, CLPS)に採択され、NASAが後援する3つの科学ペイロードを月周回軌道及び月面へ輸送する予定。ispace U.S. CEOのRonald J. Garan Jr.は元NASA宇宙飛行士であり、宇宙産業における第一人者。彼を含むispace U.S.の経営陣には、米国の数々の宇宙プログラムにおいて活躍したプロフェッショナルが集結。
- 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/jpn/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続く2024年冬[i]にミッション2の打ち上げを、2026年[ii]にミッション3、2027年に[iii]ミッション6の打ち上げを行う予定。ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
[i] 2024年4月時点の想定
[ii] 2024年4月時点の想定
[iii] 2024年4月時点の想定