2024年3月5日
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)は、2024年2月14日に、月・火星・金星の国際的探査における英国の役割を強化することを目的に、英国宇宙庁(UK Space Agency)がispaceを含む複数の国際的探査プロジェクトへ新たな資金提供計画に関する声明を発表したことを受け、下記の通り歓迎のコメントを発表したことをお知らせいたします。
英国宇宙庁の発表に関する詳細はこちら
New funding supports UK role in global exploration to the Moon, Mars and Venus
英国宇宙庁による声明の中では、ispaceの月着陸船および月面探査車による月面の開発ミッションのために、英レスター大学がLunar Spectrometer(月分光計)を開発することへの援助が発表されております。本プロジェクトに関する更なる詳細が確定した場合には、今後改めてご報告をいたします。また、欧州子会社であるispace EUROPE S.A.は、現在、レスター大学とペイロード輸送サービス契約締結に向けた交渉を継続して行っております。こちらにつきましても詳細が確定次第、ご報告いたします。
- 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田 武史 コメント
「ispaceは、“Expand our planet. Expand our future.”というビジョンのもと設立され、同じ志を持つ企業、政府系機関、パートナーの皆様と共に、シスルナ(cislunar: 地球と月の間)経済圏の構築に向けて活動を続けています。私たちのビジョンは世界規模のものであり、この成長する経済圏により多くの多様な方々に参画いただくために、私たちは世界中で事業を展開しています。
今回の、英国宇宙庁が発表した、月探査における英国の役割を強化することを目的とした複数の宇宙技術や探査計画への資金提供計画を嬉しく思います。この資金提供を通じて、英国宇宙庁は将来的な月でのISRU(In-Situ Resource Utilization:現地で入手可能な資源利用)活動の可能性と重要性を示していると捉えています。
また、レスター大学と協力し、将来的な月探査ミッションを支える新技術の輸送に取り組めることを嬉しく思います。この取り組みは、シスルナ経済圏が世界規模で構築されていくという特性、経済圏構築に寄与する学術研究機関の重要性、そして将来的な月探査発展の可能性を示すものだと考えております。
月探査への注目が高まる中、ispaceが世界の複数拠点での事業展開を通して月周回軌道や月面への輸送を担い、科学的理解促進に向け様々な世界的機関と協力できることを光栄に思います。今回の英国宇宙庁の発表を心から歓迎すると同時に、英国のさらなる発展への貢献とシスルナ経済圏の構築に向けてispaceが主要な役割を担えるよう、今後も精進してまいります。」
- 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/jpn/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在250名以上のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続く2024年冬[i]にミッション2の打ち上げを、2026年[ii]にミッション3、2027年に[iii]ミッション6の打ち上げを行う予定。ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
[i] 2024年3月時点の想定
[ii] 2024年3月時点の想定
[iii] 2024年3月時点の想定