2024年2月1日

株式会社ispace（東京都中央区、代表取締役：袴田武史、以下ispace）は、衛星開発及び衛星通信サービスを展開するタイ王国のmu Space and Advance Technology社 (以下mu Space社)との間で、ペイロード輸送サービスおよび戦略的協力に関する2つの覚書を締結しましたことをお知らせいたします。

この協力関係は、両社が将来的な月ミッションを共同で推進し、東南アジア地域において増加する、月へのミッションを検討する様々な顧客の開拓や、顧客へのサービス提供を加速させるための第一歩となります。

今回の覚書の締結により、月周回へ衛星を輸送したい事業者に対しispaceが月周回への輸送サービスを提供し、mu Space社が衛星部品を供給することで、  共にシスルナ（cislunar: 地球と月の間）衛星市場を開拓することを目指します。さらに両社は、小型衛星最大100kgのペイロード輸送を含め、当社のランダーを用いた月周回衛星ミッションの数を加速させるために、日本とタイにおいてともに市場開拓を行う予定です。

東京に本社を置くispaceは、2022年12月に世界で初めて民間として月着陸船（ランダー）の打ち上げに成功した月面輸送サービスプロバイダーであり、2024年、2026年、2027年に引き続き月面着陸ミッションを予定しています。タイ・バンコクに本社を置くmu Space社は、2018年から2020年にかけて4回のサブオービタルミッションを成功させた東南アジアの大手航空宇宙メーカーであり、衛星通信サービスプロバイダーです。現在、2024年以降に予定されている顧客のミッションにおいて衛星と衛星部品を提供する予定です。

 

• 株式会社ispace代表取締役 CEO & Founder袴田 武史 コメント

「小型衛星により機動力高く、月周回で様々な技術検証や科学探査を行うことは、将来人類が月面に滞在するにあたり非常に意義のある活動になります。本協力関係は、月周回衛星ミッションに関する東南アジアおよび世界の新市場を開拓するものであり、シスルナ経済構築の礎ともなるため、大変喜ばしく思っています。ispaceのビジョンである “Expand our Planet. Expand our Future.”の実現に向けた新たな一歩です。」

 

• mu Space and Advance Technology社CEO兼CTO James Yenbamroongコメント

「ispaceとの覚書締結の発表ができることを嬉しく思います。本覚書は、2028年までに月面でのプレゼンスを示すという我々のビジョンと決意を表し、当社にとって初めての月面ミッションとなります。ispaceとの協力により我々のキーテクノロジーを実証し、将来の月面探査に向けた基盤を築くことができます。また、この覚書は、アジアの宇宙技術の向上の証ともなります。」

ispaceは、高まる世界中の政府機関、民間企業、教育機関からの需要に応えるため、日本、米国、ルクセンブルク世界3拠点の事業体によるグローバル・プレゼンスを持つ強みを活かし、複数の月ミッションの同時開発に取り組んでいます。2024年冬に打ち上げが予定されているミッション2では、日本の本社が主導したRESILIENCEランダーを使用し、欧州子会社が製造したマイクロローバー（小型月面探査車）を含む商業ペイロードを月面に輸送する予定です。ミッション2と並行し、米国子会社ではミッション3に向けてAPEX1.0ランダーが2026年の打ち上げに向けて開発されています。ミッション3以降のペイロードサービス契約とデータサービスについては現在、世界中の顧客と交渉段階にあります。