2021年10月25日
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)は、2021年8月4日に公表したシリーズCの追加ラウンドとして、10月20日に発表した追加投資に加えて更に、Airbus Venturesより資金調達を実施したことをお知らせいたします。
今回の調達により、当社の総調達額は約218億円となります。今回のシリーズC追加ラウンドにおける調達資金は、2023年[i]に打上げが予定されているispaceのミッション2や、2024年[ii]に打上げが予定されているミッション3のためのシリーズ2ランダーの開発に充てられる予定です。シリーズ2ランダーは、現在米国で開発中です。
Airbus Venturesは本社をシリコンバレーに置き、トゥールーズと東京に拠点を構え、航空宇宙産業において変革をもたらすベンチャー企業に投資することを目的としたベンチャーキャピタルです。宇宙関連の革新的な企業を幅広く投資対象としており、ispaceの目指す、地球と月が一つのエコシステムになる世界を創ることを今後も広くご支援いただく可能性があると考えています。
シリーズC追加ラウンドへの投資に関連して、Airbus VenturesのPartnerであるDr. Lewis Pinaultはispaceのメンターとして、ispaceのペイロード輸送サービスの世界市場における展開を向上させる支援を行います。
Airbus Venturesからの投資は、先週発表したAxiom Asia Private Capitalからの投資と同様、ispaceの事業に対して世界的にも関心が高い状態にあることを示しています。ispaceはグローバル企業として、投資家、顧客、従業員、サプライヤー、パートナー等様々なステークホルダーの皆様を通して、グローバルでのプレゼンスを拡大してまいります。今回の発表は、ispaceが国際的に活動する多くの宇宙関連企業と共に市場で発展していくための活動を後押しするものです。
● 株式会社 ispace Founder & CEO 袴田武史のコメント
「Airbus Venturesのような、国際的に活動をしている組織から投資頂けることを光栄に思います。Axiom Asia Private Capitalによる投資と同様、ispaceにとって海外の機関投資家からの初めての直接投資となります。また、Dr. Lewis Pinaultと一緒に活動ができることを大変嬉しく思っています。Dr. Lewis Pinaultは、アジアや他の地域でペイロード輸送サービスを向上させていく上で、重要な助言を下さると考えています。」
● Airbus Ventures Partner, Japan & Asia Pacific Lewis Pinaultのコメント
「Airbus Venturesで急速に投資を進めている分野の一つは、月の天然資源を利用して、クリーンエネルギーやレアメタル、環境にやさしい製品を地球に届けることです。月で作られたソーラーパネル、地球における水素社会を促進するための製品、地球の気候と生物多様性への複合的な負荷を軽減するための地球外での採掘と製造など、私たちは月の開発が人類の惑星系の危機に対する重要な解決策であると考えています。月の資源を調査し、地球のために重要なデータを提供する能力を急速に高めているispaceに投資できることを非常に嬉しく思います。この取り組みは、持続可能な地球と月のエコシステムの構築に向けた最初の大きな一歩となるでしょう。」
● 株式会社 ispace (https://ispace-inc.com/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業です。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、160名以上のスタッフが在籍しています。2010年に設立され、今まで総計 約218億円超の資金を調達しています。当該資金は月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的としたランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)の開発に充てられています。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行っています。ispaceによる最初のミッションは2022年[iii]と2023年[iv]に予定されています。ミッション1では、日本特殊陶業株式会社、MBRSC (Mohammed Bin Rashid Space Centre; UAE ドバイ政府宇宙機関)、JAXAおよびCSA (Canadian Space Agency; カナダ宇宙機関)のLEAP (Lunar Exploration Acceleration Program) の一つに採択された3社にペイロードとデータのサービスを提供する予定です。ミッション1で使用するランダーはドイツのアリアングループの施設で最終組み立てを行い、SpaceXのFalcon9でアメリカから打ち上げられる予定です。ispaceは、NASAのCLPS(Commercial Lunar Payload Services)プログラムに選出されたドレイパー研究所のチームの一員でもあります。ispaceとispace Europe S.A.はNASAから月面で採取した月のレゴリスの販売に関する商取引プログラムの契約を獲得しました。ispace Europe S.A.はESA (European Space Agency; 欧州宇宙機関) のPROSPECT(月面での水の抽出を目的としたプログラム)の科学チームの一員に選ばれています。
● Airbus Ventures (https://www.airbusventures.vc/) について
本社をシリコンバレーに置き、トゥールーズと東京に拠点を構えているAirbus Venturesは、航空宇宙産業において変革をもたらすベンチャー企業に投資することを目的としたベンチャーキャピタルです。2015年設立以来、意欲的なイノベーター達が成長するための支援を続けています。
[i] 2021年10月時点での計画
[ii] 2021年10月時点での計画
[iii] 2021年10月時点での計画
[iv] 2021年10月時点での計画