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ispace、米国・デンバーに新オフィスを開設 現地でランダー(月着陸船)開発の責任者を採用

2020年11月9日

デンバーにおいて積極的なエンジニア採用を計画

株式会社ispace(東京都港区、代表取締役:袴田武史)は、米国新オフィスの所在地としてコロラド州を選定したことをお知らせいたします。同州のデンバー都市圏に米国の新たな拠点を開設する予定です。本決定にあたり、ispaceは米国商務省による海外企業の対米投資促進プログラムであるSelectUSAの協力を得ました。米国内の複数の候補地を検討した結果、ispaceは米国での開発チーム設立に向けたエンジニア候補人材の豊富さを主な理由に、コロラド州を事業拠点として選定しました。

米国で採用した一人目のエンジニアであるカーステン・オニールは、Space Exploration Technologies社(SpaceX社)にて数年にわたるファルコンロケットの新型機導入の現場での主導を含む7年間のキャリアを経た後にispaceに入社しました。彼女はispaceの米国ランダープログラムディレクターとして、ミッション3以降に使用する予定であるispaceの新型ランダーの設計をリードします。次世代ランダーは現行よりペイロード重量を増やし、米国にて設計、製造および打上げを行う計画です。

これに先立ち、ispaceはカイル・アシエルノを米国CEOに任命しました。カイルはispaceヨーロッパオフィスのマネージングディレクターおよびispaceでのグローバルセールス牽引の役割を務め、5年間にわたりispaceのグローバルなプレゼンスの向上に尽力してきました。

ispaceは、米国航空宇宙局(NASA)への協力体制を築き、商業月ペイロードサービス(CLPS)プログラムやその他の機会を通じた月探査を達成するために、米国での継続的な投資と着実な事業展開を計画しています。ispaceは現在、マサチューセッツ州を拠点とする非営利研究開発組織であるチャールズ・スターク・ドレイパー研究所(The Charles Stark Draper Laboratory, Inc.、以下ドレイパー研究所)とパートナー契約を結んでおり、「Team Draper」の一員としてCLPSプログラムに参加しています。Team Draperでは、主契約者であるドレイパー研究所がNASAの月へのペイロードを運ぶプロバイダーに選定された際には、ispaceはランダーの設計等の役割を担います。

10月14日に、日本とルクセンブルクを含む8カ国が、月の民間探査と利用における協力の原則を定めた国際協定である「アルテミス合意」に米国と署名しています。本発表における米国での活動の本格化、および、既存のルクセンブルクでの活動の今後の拡大により、ispaceは米国、日本およびルクセンブルクの間での月探査に関る継続的かつ将来的な協力関係を築く上で、重要な役割を果たすことができると考えております。

ispaceは現在、ミッション1とミッション2の準備を順調に進めています。ミッション1のランダーの設計は今年中に完了し、来年早々にはフライトモデルの組立の段階に入る予定です。今までの経験を活用し、次世代ランダー開発とミッション3の計画を進め、高頻度での月面輸送サービス提供の体制を整えていくことで、ispaceは事業のさらなる拡大を目指します。

ispaceは米国の宇宙産業との協業を通して、アルテミス計画のみならず、月探査に関心を持つ米国の民間企業に大きな価値を提供できると確信しています。ispaceは米国の政府および産業界とも協力して、今後数年間で活発な月経済圏の構築を目指しています。

 

ケヴィン・オーコンネル/ Kevin O’Connell  Director, NOAA Office of Space Commerce, U. S. Department of Commerceのコメント

「私たちは、ispaceを米国に迎えることを嬉しく思います。有人宇宙探査を推進する彼らの革新的な活動は、月面、そして最終的には火星での持続可能な人類の存在を確立する上で、商業的パートナーシップの重要性を浮き彫りにしています。ispaceのような企業は、民間宇宙産業の1兆ドル規模への拡大可能性を高めていくでしょう。」

 

ジャレッド・ポリス/Jared Polis コロラド州知事のコメント

「コロラド州は、航空宇宙分野での実績あるリーダーであり、住みやすく、起業や経営に最適な場所の一つです。ispaceは、アダムス郡のSpaceportとコロラドスプリングスのSpace Commandに参加し、コロラド州を通じて高待遇の宇宙開発の雇用創出をさらに強化します。」

 

株式会社ispace Founder & CEO 袴田武史のコメント

「世界的に月探査の機運が高まっている米国での活動を開始できることを大変嬉しく思います。月探査に関する日米の深い協力関係を補完し、両国で事業を展開する商業サービスプロバイダーとして、米国に価値を提供できると確信しています」

 

■ Kyle Acierno, CEO of ispace technologies U.S のコメント

「アルテミスプログラムの成功と月面経済の形成に貢献するために、米国の仲間やパートナーとより緊密に協力できることに、これ以上の興奮はありませんでした。コロラド州は、ダイナミックな航空宇宙エコシステムと豊富な人材を擁するだけでなく、ランダーやISRU技術のハブになりつつある地域です。米国エントリーとコロラド州の選定においては、州および連邦レベルでのサポートを受けたことに深く感謝しています。」

 

Kursten O’Neill, ispace’s U.S. Lander Program Director のコメント 

「私は、月、火星、そしてその先を探索することが人類の運命であり、星々の中での存在感をさらに高めていくための団結力だと心から信じています。米国でのランダー開発をリードするためにispaceに参加することで、私は、航空宇宙の進歩と探査におけるさらに大きな変化を革新し、創造し、インスパイアするために、最高で聡明な人たちを集めることに興奮しています。」

 

ispace,inc. https://ispace-inc.com/jpn

「Expand our planet. Expand our future. 〜人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ〜」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。2020年8月までに累計135.5億円の資金調達を実施。日本初民間開発の月着陸船による「月面着陸」と「月面探査」の2つのミッションを行うプログラム「HAKUTO-R」を発表。アメリカSpaceX社のFalcon 9ロケットで2022[1]年と2023[1]年に打ち上げ予定。

[1] 2020年11月時点での想定

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