2024年10月17日
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、インドの超小型衛星関連技術を手がける企業であるHEX20Lab India Private Limited(以下HEX20)と、将来のキューブサットの月周回軌道への輸送および展開に関する覚書を締結したことを本日、イタリアのミラノで開催中の第75回 国際宇宙会議(IAC)にて、発表いたしました。
IACのispaceブースに展示するAPEX 1.0レプリカの前で、株式会社ispace 代表取締役CEO & Founderの袴田武史(左)とHEX20 CEO & Co-FounderのLloyd Jacob Lopez氏
このたび、両社が署名した覚書はispaceの月着陸船によるHEX20キューブサットの月周回軌道への打ち上げと展開を視野に入れたミッションに関する交渉をスタートさせる最初のステップとなります。なお当社は2023年10月に、インド初の民間開発ロケットの宇宙空間到達を成功させたSkyroot Aerospace Private Limited社およびHEX20の親会社であるオーストラリアのHex20 Pty Ltd社との間で、将来的な月周回衛星ミッションの需要創出 に向けて協力する3社間覚書を締結しております。
⚫︎ 株式会社ispace 代表取締役CEO &Founder 袴田武史 コメント
「月における衛星とそのインターフェースの整備は、月周回軌道での活動を加速させるために不可欠であり、キューブサットがとても重要な役割を果たすはずです。私たちはHEX20との協業によりこのようなコンセプトを実現できることを非常に楽しみにしております」
⚫︎ HEX20 CEO & Co-Founder ロイド・ジェイコブ・ロペス コメント
「ispace社との地球周回軌道を超えた本コラボレーションに着手できることを非常に嬉しく思います。当社のキューブサットを月周回軌道に投入することは、『多様なミッションに対して信頼性が高く費用対効果に優れた衛星プラットフォームを提供する』というHEX20が掲げるミッション(使命)においても大変画期的な出来事です。このパートナーシップは、月探査を前進させるだけでなく、シスルナ経済圏における様々な活動機会の創出につながっていくと思います」
ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めてまいりました。最速 2024 年 12 月に日本法人が主導するミッション2、続いて2026年には米国法人が主導するミッション3を順次実行していく計画です。また、2027年には、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション6を予定しています。世界中の政府、企業、教育機関からの高まる需要に応えるため、ispaceはミッション3およびそれ以降のミッションのペイロードサービス契約とデータサービスを提供してまいります。
⚫︎ HEX20 Lab India Private Limitedについて
HEX20は、インドとオーストラリアに拠点を置く革新的な小型衛星企業であり、キューブサットおよび小型衛星市場向けに、費用対効果の高いプラットフォーム、カスタマイズされたハードウェア、および高度なセンサー技術を提供しています。HEX20は、地球低軌道(LEO)およびシスルナ空間におけるソリューションとして、商業、防衛、学術用途向けに、費用対効果が高く、信頼性が高く、使いやすい高品質なハードウェアプラットフォームを提供することを目指しています。
⚫︎ 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/jpn/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続くミッション2の打ち上げを最速2024年12月[i]に、2026年[ii]にミッション3、2027年に[iii]ミッション6の打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
[i] 2024年10月時点の想定
[ii] 2024年10月時点の想定
[iii] 2024年10月時点の想定